2013/07/01
ハンカチ・てぬぐい 豆知識
案外と知らない、ハンカチ と てぬぐいの豆知識について、少しお話します。
【 ハンカチ handkerchief 】
ハンカチとは、日本での通称で、本来は「ハンカチーフ」といいます。
手に持った頭巾という意味です。もとは髪をおおうために使った布を、手に持つようになり、今のハンカチの形になったそうです。
ハンカチーフが誕生したのは、紀元前5世紀くらい、エジプトや中国やペルシャなどの遺跡からもハンカチーフと思われる布が発見されているそう。いずれも高貴さの象徴として使われ、身分の高いものだけが持つことを許されていたようです。
みなさんの知っている正方形の形が定番になっていったのは、マリーアントワネットが1785年に「ハンカチを正方形にすること」との布告を出したことから。
ハンカチーフは、もともと男性の持ち物とされ、その後に女性が持つようになり、ヨーロッパでは婚約のしるしとして使われ、次第にロマンティックな役割りを持つようになっていきます。
貴族たちの間では、愛を伝えるための贈り物や小道具としてつかわれ、その人自身を表す重要なものでした。
高価なレースをふんだんに使ったハンカチーフは、見せるためのアクセサリーとして、布の宝石のように扱われ、貴婦人たちの肖像画などにその様子をみることができます。
そんな名残りでしょうか。
ハンカチーフのイメージには、少しロマンティックなニュアンスが感じられるような気がします。
【 てぬぐい tenugui 】
てぬぐいとは、日本手拭いといわれるもの。
その歴史は、日本の織物の歴史に重なります。
古くは麻や絹でできた平織物で、庶民は麻を、高貴な者たちは絹を使用していました。
綿は中国より輸入され絹よりも高価なものでしたが、江戸時代初頭の頃、日本でも大々的に栽培されるようになり普及していきました。
祭礼においての装身具や神仏の清掃などにつかわれ、儀礼や日除けなどの被り物(簡易の帽子や頭巾)としても使われていたそう。普及するにつれて、手拭きとしてや、入浴時に身体を洗ったりするものとなっていきました。
長さは3尺から9尺あったものが、江戸時代にほぼ現在と同じくらい、約90cm×35cm程度の大きさに。
てぬぐいの端が縫われていないのは、清潔を保つため、水切れを良くして早く乾くようにするためなのだそう。
てぬぐいからでる糸が気になって、端を縫ってしまったこともあったけれど、水切れのためだったとは。。。なるほど。
<参考資料>
スウィート ハンカチーフ(ピエ・ブックス)
懐かしいハンカチ(文化出版局編)
wikipedia
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